「わー…。可愛い…。」

お店の中はクリスマスカラー一色。

白と赤と緑と

サンタクロースにトナカイに

プレゼントがいっぱい。

あたしは、1つだけモチーフを手にとって

「すっごく可愛い…。」

と呟いた。

「澪?それ、ほしーのか?」

「っ。びっくりしたぁ。…ちょ、ちょっとね。」

「んじゃ、買ってやるよ。」

「へ?いいって。」

これくらい自分で出すよ、といおうとしたとき。

「クリスマスなんだから。プレゼント。」

と、言った愁に

そのモチーフをひょいっと捕られてしまう。

「あ、ちょっとっ…。」





あたしが追いかけたときには、もう愁は会計を済ませていて

あたしの手に、ぽんっとそれを乗せてくれた。

「クリスマスプレゼント。」

「愁には、いっつも色んなもの貰ってるのに…。」

「はぁ?別に何もあげてねーぞ?」

そうゆう意味じゃないんだってば。

物じゃなくて、気持ちの問題。

「ま、貰っとけって。」

「…ありがと。」

あたしは少しだけ見つめた後

それをバックの中にそっとしまった。