「澪、へーきか?」

「うんっ…。」

「嫌なら耳塞いどけ。俺が見ててやるから。」

「ありがとっ…。」

愁だけじゃなくて、茂長まで

あたしを守ろうとしてくれる。

なんとなく慣れないけど

不思議と嫌な感じはしない。

「おいっ。」

「ん…?何?」

「今から、もう帰りだってよ。帰ろーぜ?」

「うん。」

愁に手を引かれて、あたしは席を立つ。

「お前は触っても平気なんだな。」

「俺は幼馴染だかんな。」

「ふーん。ちっと羨ましいわ。」

茂長は、ちょっとだけあたしの顔を見つめた後

「俺も一緒に帰っていい?」

と言った。