男嫌いなあたし。

「悠斗さ…。あたしが誰といてもいいってこと…なのかな。」

「さぁな。それは澪が自分で確かめることだろ?」

「…うん。」

あたしが、濡れた頬のまま、こくんと頷くと

「クリスマスにさ、俺伝えたいことがあるから。」

と、愁はあたしに言った。

「伝えたい…こと…?」

首を傾げるあたしに対して、愁は

なぜか笑っていた。

それも苦笑、という感じで。

「なんで…笑ってるの…?」

「いーや。相変わらず鈍感だなぁと思って。」

くっくっく…。と

笑い声が愁から漏れる。

ちょっとだけ意地悪な、あの表情で。

「愁?どーしたの?」

「なんでもねー。とにかく。」

“澪、お前は我慢するな。”

あたしの頬が、愁の肩に当たるように

優しく優しく、抱きしめてくれた。