男嫌いなあたし。

「ん、ついた。」

たどり着いたのは、図書室。

もちろん人はいなく、がらんとしている。

「澪、さっきまた我慢したろ。」

「へ?何が?」

「悠斗が“楽しんでこい”って言った時、すっげー悲しそうな顔してたぞ。」

「…気がついてた…の?」

たりめーだろ。

と、言う愁。

もう、なんでよ…

なんでそんなにわかっちゃうの…?

「…別に、へーき。」

「お前のへーきは、へーきじゃないだろ。」

「へーきだもん。」

あたしはぷいっと顔を逸らした。

なんでだろう。

あたしの頬に、涙が流れていたからだ。

「ばか、泣くなって。…お前に泣かれると困るだろ…。」

そんなことを言いながら

あたしの涙を指で拭ってくれる。

もう…

優しすぎだよ…。愁…。