男嫌いなあたし。

「澪、お前さぁ…。」

「な、何?」

「最近寝てねーだろ。」

「な、何で知ってんの!?」

澪はすごく驚いていた。

ちっ…。やっぱり図星か。

「メイドさん達が心配そうにしてた。それと、目の下隈できてるし。」

「う”っ…。」

「悠斗のこと…か…?」

「…うん。」

俺がきいた途端、澪はすごく泣きそうな顔になった。

そして、

「…あたしね、自信がないの。悠斗に愛されてるって自信が。あたしは男嫌いで、ふつーの女の子とは違う。だから、悠斗も離れていっちゃったんじゃないかって。」

らしくない、弱弱しい声色だった。

まるで澪じゃねーみたいに。

「…それはさぁ、悠斗が決めることなんじゃねーの?」

「…そう…かもね。」

「お前はいい女だよ。だから、自信持て。…てか、クリスマスお前予定ねーんだろ?」

「ないよ…?」

「じゃあ、俺に付き合って。な?」

ここぞとばかりに、澪を誘ってみる。

俺って案外せこい奴かもしれない。