「ほら、始まったぞ。お前はゆっくりいけよ？」

「わかってるって。愁と悠斗は先行ってもいいよ？」

「…じゃあ俺先行くわ。」

ぷいっとあたしに背を向けて

先に行ってしまう悠斗。

「…お前ら、なんかあったのか？」

「…わかんない。でも、最近すごくそっけないの。」

「ふーん。」

愁はほんの少しだけ考えて

「大丈夫だって。」

と、あたしに言った。

「なんでわかるのさぁー…。あたし、嫌われちゃったのかなぁ…。」

ほんとに不安で仕方ない。

あんな態度、今まで見たことないし。

あたしだけが好きなんじゃないのかって

不安で不安でしょうがない。

「悠斗がそんな奴じゃないのなんか、澪が１番よく知ってるだろ？」

「そう…だけど…。」

こんな気持ち初めてだから

どう対処していいかなんてわからなくて。

ただ胸が痛くて。

何かに押しつぶされちゃいそうだよ…。