『ここ?』

『おう。』

茂長がついてきてほしいところ、と言うのは

さっきまでずっといた海辺。

…?

どうゆうこと?

『ちょっとだけ、話しねぇ?』

『い、いいよ?』

茂長は、あたしのほうを見ずに

話し出した。

『昼間にさぁ。お前言ったじゃん?“愁と同じくらい仲良くなった”って。』

『う、うん。』

『俺さぁ。愁と同じくらいは嫌なんだわ。』

『…?』

首を傾げるあたしに、さっきとは違って

ちゃんとあたしと目を合わせた茂長が

『愁よりも“特別”にしてほしいんだ。…俺は、澪奈が好きだから。』

『す、好きっ…?』

『澪奈が好きだよ。だから、俺は澪奈の“特別”になりたい。』

俺じゃだめ?

と、あたしを見つめてくる。

そ、そそそんなこと言われても…。