男嫌いなあたし。

『あのさ、澪奈。』

『な、何?』

『夕方、ちょっと俺についてきてくんねぇ?』

『夕方?』

特に用事もなかったし

あたしはコクンっと頷いて

『いいよ。』

と言った。

『よかった。…愁のトコ行くか。』

『うん。』

2人で並んで、浜辺を歩き出す。

太陽の光が反射して

キラキラ光っている。

綺麗だなぁ…。

『澪奈、ほんとに好きなんだな。』

『へへ。なんで?』

『海を見てるとき、すっごく優しそうな顔してるから。』

すっとあたしから視界を逸らして

茂長まで海を見つめていた。