男嫌いなあたし。

『お、お待たせ。』

『可愛いじゃん。』

『てか、なんでパーカー?』

『は、肌見せたくないのっ。』

仮にも男子がいるわけだし。

こんな格好見せられないっての。

『リボンは止めずに出てくんのに、水着はダメなわけ?』

『そうっ。なんか文句あるっ?』

『別にお前が嫌なら無理はしねーけどさぁ。』

愁も茂長も、そう言ってくれると思った。




『澪奈ぁー♪ってあなた。何パーカー着てんの?』

『お母様っ。なんでこんなに露出の多い水着にしたんですかっ!?』

『だって、澪奈可愛いから…。』

ぶぅ。と口を尖らして、子どもみたいに拗ねている。

お母様の得意な表情だ。

『こればっかりはダメですよ。あたし、肌見せしたくないんです。』

『えぇ?せっかく綺麗なのにー。』

もったいなーい、と

あたしの腕をツンツン突いて

どさくさにまぎれてパーカーを脱がそうとしてくる。

『ちょっ…。きゃっ。』

『捕った♪もうきちゃダメよー?』

『ちょ、返してくださいっ。』

あたしが追いかけようとすると

ありえない速さでたたたーっとかけていく。

もー…。