あたしの家に負けないくらい

でっかいお屋敷の門を開けると

『お待ちしておりました。』

と言う執事さんの声がした。

『こんにちは。おばあさまは…。』

『奥様は中におられます。少しお待ちください。』

執事さんはそう言って

部屋の中に入っていった。

『澪奈やるー♪ありがとね。』

『お母様ぁ…。自分のお母様なんだから、自分で呼んでくださいよ。』

『えー?だってぇ。』

子どもみたいに口を尖らして

ブーブー言ってるお母様。

本当に子どもみたいだ。




『あら澪奈ぁ。よくきたわねぇ。』

『おばあさまっ。』

それから数分後。

一年前と変わらないおばあさまの姿がそこにあった。

『ご無沙汰しております。』

『いえいえ。いいのよ。愁もおおきくなったわねぇ。』

『ばあさまも相変わらずだな。』

あたしと兄弟みたいに育ってきた愁。

だからこそ、おばあさまにこんなことがいえるのだ。