「ふぅ…。校長の話長かったなぁ。」

「だねー。」

今日は7月下旬。

皆さんもお分かりの通り…

丁度夏休みに入ったところだ。

「車ぁ。」

「きてるきてる。早く乗ろーぜ。」

「うん。」

外は、景色がゆがんで見えるほど暑くて

今すぐにでも熱中症になりそう。

なんというか…溶けそう。




「だして。」

「かしこまりました。今日から夏休みだそうですね。」

「うん。やっと。」

「では、いつものように2週間ほどあちらへ?」

「…うん。多分。お母様もそのつもりでしょ?」

“あちら”と言うのは

あたしが夏休み中に必ず行くところ。

そう、おばあさまの家。

…と言うか、別荘みたいなところだ。

「あちらってどこだよ。」

「あぁ、茂長は知らないっけ。おばあさまのところだよ。」

「“おばあさま”?」

あたしと愁は、昔っから行ってるから

知ってるけど…。

今回から茂長も参加だろうな。

「茂長もくる?」

「おう。俺、もう1人とか嫌だし。」

「そっか。」

こんだけ騒がしい毎日を過ごしてたら

もう1人になんて戻れないよね。