時間とは実に残酷なもので

あたしがいくら“時よすぎるな”と思っても

へーきな顔をして、朝はきてしまう。

はぁ…

きちゃったよ、朝。




「澪、行くぞ。」

「うー…。」

「まだ唸ってんのか?ったく…。」

愁はそう言うと、あたしの身体を

ひょいっと持ち上げた。

「きゃっ!ちょっ…やめてっ…。」

「お前、こうしなきゃ行こーとしなかったろ?」

「愁のばかぁ…。」

あたしは、こうして抱き上げられるのが

ホントはあまり好きじゃない。

だって怖いんだもん。

「澪奈、ほら。手。」

「うー…。茂長ぁ…。」

あたしは茂長の手をいつもより少しだけ

強く握った。