「澪奈様、大丈夫ですか?」

「う、うん…。く、車、きてる?」

「はい。つけております。」

「ありがと。」

あたしは2人の手を借りて

車に乗り込む。

「ふ、ふぅ…。」

「澪、また真っ青。大丈夫か?」

「う、うん…。」

「落ち着け。深呼吸。」

あたしは、すーはーっと深呼吸して

やっと落ち着いた。

「まだ震えてんな…。」

「澪、強く言われるとダメだかんな…。」

「ご、ゴメン…。」

えへへ、と力無く笑うことしかできないけど

それでも精一杯笑ってみせる。

「無理して笑顔つくんなって。」

「…俺らしか、見てねーんだから。」

ポンポン、とあたしの頭を撫でて

落ち着かせてくれる。



「もう大丈夫。ありがと。」

「いーよ、これくらい。」

「明日…。学校行くの嫌だなぁ…。」

「澪奈の勝ちだろ?堂々と胸張っとけ。」

茂長は、いつもの笑顔であたしを見つめていた。