「茂長君って言うの?珍しいねぇ、寺崎君以外の男の子と一緒にいるなんて。」

「茂長も、今は同居中なの。」

「あら、そうだったの。でもあなた…。男の人、苦手なんじゃなかったかしら?」

「茂長は特別かな。」

「そうなの。すごいわねぇ、茂長君は。」

おばちゃんは、少しだけ嬉しそうな顔をしていた。

なんでそんなに嬉しそうなんだろう…?

「じゃあ、またきてねぇ。」

「うん。じゃあね。」

あたしはおばちゃんに、バイバイと手を振って

その場を去った。

その時。

「あれ?泉川さん?」

「っ!?」

後ろから声をかけられて

ちょっとだけびっくりする。

「やっぱりー。泉川さんだぁ。」

声の正体は、クラスの女の子達。

あー。びっくりしたぁ。

「どうしたの?お出かけ?」

「ま、まぁ…。」

「って、寺崎君達も一緒だったの!?」

女の子は、あたしの横に立っていた愁達を見て

ちょっとだけ驚いた様子。