誰もいないと思いながら玄関に入ると靴が2足並んであった。
しかも女と男の靴……。
もしかして……
私はそっとリビングに行った。
すると椅子に座っている二人の物影が見えた。
「……誰?」
母「あなたの母親だけど?」
「は……?」
今まで家に帰ってこなかったお母さん…どうしていきなり、しかもこんな時間に?
母「とりあえずこっちきて座りなさい。」
私は言われたとおりこの人達の前に座った。
…この男、誰?
母「あ、この人は今お付き合いしてる五十嵐(イガラシ)さん。
言っとくけどあんたの父親とはこの前別れたから。」
五「どうも。
よろしくね、若葉ちゃん。」
ニコッと笑いながら挨拶してくるこの人…目が笑っていない。
頭の中でこの人は危険だという警報が鳴り響いている…。
私も作り笑いで挨拶をした。
「はじめまして、五十嵐さん。」
一体何が目的でわざわざ…。
今まで誰と付き合っていようと私には紹介なんて無かったのに…
.


