柚留は立ち上がり、華の隣りに座りなおした。
柚「事業に失敗し、行方をくらませた。
…そして母親も狂ったように男と遊びまくる。
借金は貯まる一方…。
行きたかった高校も行けず働き口を探していた。
そんなときに俺がスカウトしたんだ。」
華「わ…私と……一緒…?」
柚「一緒だ。
…お前がここへ来たのは大学3年の時だったろ?」
華「っ……。」
柚「お前ならわかるだろう…学校に行きたくてもいけない状況に追い込まれたお前なら……。」
華「…っ……うぅっ……」
泣きながら何度も頷いた華を、柚留がそっと抱しめた。
柚「華が苦労してた事は知ってる。
両親に捨てられて借金を押し付けられたお前には金を稼がないと生活は出来なかったと思う。
華が客とすんのが嫌なら辞めればいい。
それが出来ないからといって、客とヤらない魅姫を批判すんのは間違ってる。」
華「ごめ……なさっ…。」
柚「それは俺に言う事じゃねぇよ。
よし、んじゃ帰るか。
家まで送ってってやるよ。」
華「え…でも……。」
柚「泣いてぐちゃぐちゃだぞ?
遠慮すんなよ。」
抱しめていた腕を放し、笑いながら華の頭を乱暴に撫でた。
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