夜×裏 -運命のヒト-





今の時刻は朝の5時。



「ただいま……。」



返事が返ってこないのを知っていても言ってしまう…。
お父さんは大企業の社長だったが事業に失敗し、借金をおいて消えた。
お母さんと二人になったがお父さんを心から愛していたお母さんは狂った。
生まれてから今までお母さんに名前を呼ばれたことがなく、お母さんはいつもお父さんばかりだった。



幼稚園の頃からお父さんは会社でのストレスが溜まって私を殴る。
お母さんもそれにのって私を暗くて寒い部屋に閉じ込めたりしていた。




今では借金があるのに色んな男と遊びほうけている。
もちろん借金は増える一方……。




高校を諦め働く道を選んだ。





お母さんは常に男の所にいて家には帰ってこない。




今の季節は春…
入学式がある季節……



でも私には関係ない。



私はただ働いて借金を返すだけ。
プライドを大切にしながら……





私は基本休みをとらない。
毎日働いている。
って言っても体を動かすようなハードな仕事じゃないし楽勝だ。



なにより…






夜1人で部屋にいるほうが何倍も恐ろしい……




殴られたり閉じ込められたりした事を思い出してしまうから……






そんなこと考えていると体が震えていた。





「ははっ……情けないっ…!!」





電気をつけたまま私は眠りについた。





.