私の視線に気づいたのか、育斗は少しだけ力を弱めてくれた。
そして見つめ返してきた。
育「…俺は今お前しか見ていない。
いや、見えていない。
確かに女に困った事はない。
ヤりたいときにヤる、その繰り返しだった。
けど若葉に会ってからやめた。
全部の女と縁を切った。
本気で若葉を愛してる。」
嘘をついているようには見えない…。
本気で私の事を想ってくれているんだ…。
妙に嬉しく思った。
それと同時に心拍数がかなり上がった。
「…ありがとう。」
育「礼なんていらねぇ。
それより早く俺を好きになれよ。」
「っっ…。」
耳元でぼそっと囁くように言われた。
…今の私の顔絶対赤い。
私どこかおかしいのかな…。
育斗の言葉にいちいち反応しちゃうし、今こうして抱しめられてても嫌だと感じない…。
……これが好きってことなのかな。
でもなんか流されてるだけのような気もするんだよね。
まぁ焦らなくていっか。
それから目的地につくまでずっと抱しめられたままだった。
.