「育斗はかっこいいから女の人から誘ったりしてて経験豊富なんだろうなーとか思ってました。」



育「他は?」



「・・・ただの暇つぶし相手にどうしてここまでよくしてくれるのかな、とかも考えてました。」



そう言うと育斗はため息をついてからさらに強く抱きしめてきた。



育「俺がいつ暇つぶしだって言った?

俺は本気でお前を・・・若葉を愛してるんだ。
好きな奴につくしたいって思うのは当然の事だろ?」



「あなたみたいな人が私みたいな子供をですか?

・・・正直信じられません。」



それから数分沈黙が続いた。
・・・気まずすぎる。

黙ったままでいると運転席から声がした。



運「・・・組長は本気ですよ。

女を道具の様に扱い、冷酷だった組長があなたにはここまで尽くしています。


それだけ・・・あなたを愛していると思います。」



育「余計なことを言うな。」



運「前の組長を知っていただいたら、組長のお気持ちは伝わると思いますよ。


えっと・・・若葉さんでしたよね?」



「あ、はい。」



運「組長は若葉さんと出会ってから変わりました。
女性と接するのは若葉さんだけになりました。

仕事も若葉さんに会うために必死で終わらしています。
どれだけ仕事の量が多くても・・・。



なので組長の気持ちは信じて下さい。
組員の私たちですら、組長の変化には驚いているので・・・。」



私のために・・・?
仕事は暇とかじゃなくて、どれだけあっても終わらして来てくれてたの・・・?




私は育斗の顔を見つめた。




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