家に着くともちろん誰もいない。
「……寂しいな。」
育斗と出会ってから何故か家が寂しくなった。
その上1人でいる事がさらに怖くなってしまった…。
さっとお風呂に入ってから布団にもぐりこんだ。
若干震える体を必死に抑えながらゆっくりと目を閉じた。
-私の視界に入ってこないでくれない?-
-あんたのせいで人生滅茶苦茶よ-
冷たい目、冷たい声であの人はいつも私にそう言う…
-あんたなんか産むんじゃなかった-
「いやぁっ!!」
寝ても同じ夢ばかり見てしまう…。
息が乱れ、汗もかいていた。
自分の体が尋常じゃないほど震えている。
今までとは比べ物にならないくらい……。
…今までここまで酷くなかったはずなのに、何かがおかしい。
父親の事が解決して一段落ついたところなのに…
「嫌な予感がする……。」
不安を抱きながら私は再びお風呂に入った。
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