ボーイ「魅姫さん、花森様からのご指名です。」



「…今日は豊川さんと斎藤さんが一晩私を買ってくださるので他の人つけていただけませんか?」



ボーイ「一晩…ですか?」



「勘違いしないで下さいね。
枕営業じゃないですから。」



ボーイ「わかりました。」



ボーイはその場からいなくなった。
おそらく育斗に伝えに行ってくれてるんだろう…







少しすると育斗が近づいてきた。
そして私達の目の前に立って言ってきた。




育「…こいよ。」



「すいません。
今日はいけないです。」



育「俺はこの辺仕切ってる組長だぞ?
……さっさと来い。
金ならそいつら以上に出してやる。」





育斗の言い方が頭にイラっとした。
私は立ち上がり、育斗の目を真っすぐ見た。






「…あの日の事は本当に感謝しています。
組長という立場に立っていたあなたに助けられました。


……ですが今ここで"組長"という立場を言われても、私は言うとおりにはしません。
ここはsakura…そして私はここの№1としての誇りを持っています。



それに私はお金とかそういうのはどうでもいいんです。
確かに地位とかそんなのを考えたら育斗の方がお金を持っているかもしれませんが、私は気持ちを大切にしたいんです。
私の為にしてくれる…そのようなお客様を大切にしたいんです。」






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