「ありがとうございます。
でも何も変わりないですよ?

いつも通り仕事もしてますし…ね。」



そう言うと不満足気な顔になった。
そしてなぜか睨まれた。




育「……何かあったらすぐに言えよ。」



「育斗は私の大事なお客様ですので私情を持ち込んだりはしません。
その気持ちだけ受け取っておきます。」



育「んじゃプライベートならいいだろ?
ここじゃなくて外で会った時にでも言ってくれ。」



「……わかりました。
何かあれば、お話します。」




今度は満足気な顔をして機嫌よくお酒を頼み始めた。
育斗と話をしながら、たまに席を立って他のお客様の相手もした。








家に帰ると玄関に靴があった。
玄関に私のではない一足の靴があると無意識に体が震えてしまう。
…怖くない、怖くない。


そんなことを思いながらリビングへ向かった。




父「待ってたんだぞ?」



そしてまた殴られる。
殴り、蹴られる。

もうどうでもよく感じてきた。
これが私の親なんだから仕方がない……。




父「んじゃ今日も借りてくな。」






………仕方ない

耐えるしかないんだっ……




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