辻「いや…なんかいつもと違うような気がしたんだが……」
……親の事がばれたのかと思った。
辻さんって妙に勘が鋭いから気をつけないと…。
「気のせいですよ。
あ…もしかしたら辻さんが久しぶりに来てくださったからかもしれませんね。」
辻「ははっ。
それだったらいいんだけどな。」
それから辻さんはドンペリピンクとフルーツを頼んでくれた。
私はひたすら辻さんの話を聞きながら相槌をうっていた。
しばらくしてボーイが呼びに来た。
辻さんに断りを入れてから席を立った。
次に指名してきたのは育斗だった。
育「よぉ。」
「毎日きていただいて嬉しいですけど大変じゃないですか?」
育「いや、魅姫に会えるから全然大変じゃねぇけど?」
「……そうですか。」
いつも同じ様な会話になる。
……組長ってまじで暇人なの?
そんなこと考えていると育斗さんが鋭い目で見てきた。
育「1週間くらい前から思ってたんだけどさ……何かあったのか?」
辻さんと似たような質問をされ、内心驚いたが冷静に答えた。
「何もありませんよ?
いつも通りすごしています。
どうしてですか?」
育「なんか目が死んでる…とまでは言わねぇけど、死にかけてるからよ。
……何かあればすぐに言え。
助けてやるから。」
育斗の優しい声や言葉が胸に響いてきた。
正直助けて欲しい…でもお客様に話すようなことじゃない…。
私は自分を抑えて笑顔で対応した。
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