その日からあの人が週に2日は帰って来て私を殴り、金を持っていくという日々が続いた。
仕事に支障が出ないように顔や腕は殴られなかったので普通にドレスを着て腕を出して仕事をしている。
仕事場で弱音なんか吐かない。
この仕事に……私は誇りを持っているから。
あの日から2週間が経過したが、幼い頃に虐待を受けていたからかまだ体は大丈夫。
…って言っても正直痛いんだけどね。
でも仕事できないくらいの痛みじゃないから平気だ。
ボーイ「魅姫さん、指名が入りました。」
「わかりました。」
私は指名された席へ向かった。
そこには辻さんがいた。
「辻さん、お久しぶりです。
来てくださったんですね。」
辻「久しぶり。
取引先と話がまとまって色々手続きやらしてたらなかなか来れなくてな。
…というよりここへ来たら仕事とかどうでもよくなって魅姫により会いたくなると思って我慢してたんだ。」
「クスッ…辻さんったら口が上手なんですね。」
辻「いやいや、本当だから。
それより…無事話がまとまったんだ。
魅姫のおかげだ。
ありがとう。」
「そんな…辻さんの努力の結果ですよ。
おめでとうございます。」
辻「今日は飲むぞ!!」
「飲み過ぎないようにしてくださいね。」
微笑みながら話していると辻さんがいきなり真剣な顔をして私を見てきた。
いきなり雰囲気が変わり、焦ってしまった。
辻「魅姫…どうかしたのか?」
「え……?」
いきなり聞かれた事に目が点となった。
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