私、神風若葉(カミカゼワカバ)はキャバクラで働いて3年目になる。
今年18才になる未成年だが、中学卒業してすぐあたりにオーナーがそれを知ってもスカウトしてきた。
訳があり高校には行けず仕事を探していた最中だったので私は夜の世界へ足を踏み入れる事にした。





大量の金が必要だった。
大量の借金を返す為に……。





キャバクラに入ってからは死ぬほど努力をした。
…かと言って体を金儲けの道具になんてしたくなかったから私なりに固定客が増えるように努力した。




その結果……





現在の私はこのキャバクラで№1。
しかも枕営業なしで、という噂が町中に広がりすごく注目を浴びている。






ボーイ「魅姫さん、辻さんがいらっしゃいました。」



「すぐ行く。」



魅姫とは私の源氏名。
ここではそう名乗っている。



もう一度メイクを確認し、辻さんの元へ向かった。




「辻さん、今日もいらしてくれたんですね。」



辻「魅姫に会いたかったからな。」



「ふふっ…嬉しいです。」




辻さんはIT企業の社長さん。
38という若さで立派に務めている。




「お仕事順調ですか?」



辻「それが……思うようにいかなくてね。
取引先の社長がなかなか首を縦にふってくれないんだ。」



それからお酒を飲みながら辻さんの話を聞き続けた。




辻「…ほんとにどうするべきなんだろう……。」



「どうするもなにも……自分に自信を持ってやるしかないですよ?
辻さんが胸を張って取引先の社長さんに辻さんの思いが伝わればきっと上手くいくはずです。


予想ですけどもしかして聞き入れてもらおうとばかり考えてるんじゃないですか?
それでは駄目なんです。
相手の社長さんはそれに気づいてるから承諾してくれないんですよ。


じゃないと辻さんのお誘いを断るなんてする所ありません。


……と私は思います。」



辻「……そうかもしれない。
俺は成功させようとしか考えていなかった…。


魅姫…お前の言うとおりだ。
明日もう一度行って会社の…いや、俺の思いをぶつけてくる。」



「それでこそ辻さんです。」



私は微笑んだ。




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