結婚が決まるまで働かせてもらう事になったせいか、柚は何故か笑顔だ。
柚「いやー、よかったよかった。
若葉はここの№1だから今辞められたら困っちゃうんだよな。
お客さん減っちゃうし。」
育「……若葉、やっぱり辞めろ。」
柚「結婚決まるまでいいんだろ?
男に二言はないよな?」
育「チッ…。」
柚「ってことで若葉、これからもよろしくな。」
いきなり話をふってきた柚はやはり笑顔だ。
…まぁ経営の問題もあるしね。
「こちらこそよろしくお願いします、オーナー。」
持ち前の仕事用の顔で言った。
話が終わり、育斗と肩を並べて歩いている。
手を繋ぎながら育斗は私のペースに合わせてくれている。
「育斗ぉー。」
育「何だ?」
「ありがとう。」
育「いきなりどうした?」
「言いたくなっただけ。」
変な若葉、と言いながらククッと喉をならした育斗。
私は繋いでいる手に少し力をいれた。
.


