夕方頃に話が一段落つき、今は育斗に歩いて送ってもらっている。
もちろん手は繋いでる。



「育斗……ごめんなさい。」



育「何が?」



「…別れるって言って……。」



育「あぁ、俺は別れたつもりなかったし。
あんな言い逃げされても納得できねぇだろ?」



歩いているとふと小さな公園が目に入った。
育斗も同じだったのか、中に入りベンチに並んで座った。



夕方だからか、誰一人いなかった。




育「あの日…若葉が別れをきりだした日、正直俺も別れた方がいいのかと思った。
俺は花森組の組長だ。
そして将来、できた息子は俺の跡取りとなる。

…一般人である若葉には重いんじゃないかと思った。



でも俺は組長である前に1人の男だ。
好きな女と一緒にいてぇ…。
若葉が背負う重りを、俺も一緒に背負いたい。


親父が言った通り、これから先辛いことばかりかもしれねぇ。
でもその分俺が幸せにしてみせる。
だから今度は……」







"結婚を前提にやり直さないか?"






その言葉を聞いた瞬間涙があふれてきた。
嬉しすぎて…幸せすぎて…








……夢じゃないかと思ってしまう。




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