目をそらさずに育斗の父親を見た。
「…初めは私も育斗と別れた方がいいと思いました。
育斗には立派な相手がいて、私じゃその人の代わりになれないと思いました。
そして別れようと私から言いました。
でもっ…好きなんです……。
別れたつもりだったのに、今こうして私の都合でここに来て…そんな私を今でも恋人だと言ってくれる育斗が…大好きなんですっ!!
私は学歴もない上に未成年なのに水商売をしています。
到底育斗とは釣り合いません。
でもこの気持ちは誰にも負けません!!
育斗を想うこの気持ちだけは…絶対に!!
私に出来ることを精一杯尽くして育斗のサポートをしたいんです!!
お願いします…認めてくださいっ…。」
最後のほうは涙声になり、目にも涙が溜まった。
言い終わった後私は深く頭を下げた。
そんな私の隣に育斗が立った。
育「親父の気遣いはすげぇ嬉しい。
俺のために、俺の負担を減らすためにこの話を持ってきてくれたことには感謝してる。
でも俺は若葉と一緒にいてぇんだよ。
極道の世界ではなんの力もない若葉だけど…一緒にいるだけで癒されるし頑張れるんだ。
外では強気だけど本当は弱い所とか全部…若葉の全部が愛しいんだよ……。
俺の代で花森組を終わらせるつもりはねぇ。
俺自身の力で今以上に組を大きくしてみせる。
だから…若葉と一緒にいさせてくれ……。」
そして頭を下げた。
育斗の言葉が嬉しすぎて我慢していた涙が下に落ちていった。
育父「頭をあげなさい。」
数秒の沈黙の後育斗のお父さんの声が部屋に少しだけ響いた。
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