それから仕事は手を抜かず、どうやって乗り込もうか必死に考えていた。
花森組での婚約者の顔合わせ…両者共に大事なことだからそう簡単には中には入れてもらえないだろう。




「…どうしよう。」




仕事が終わってから家で考えている。
ついに明日がその顔合わせの日だ。









「……ぐだぐだ考えずに本能でやろう。」





余計な事を考えたって明日は来る。
それなら…










いつもの私らしくやるべきだよね。
表に立っている時の私らしく…。




1人が嫌いな私が今は育斗のことを考えているせいか、なんとも思わない。
早く育斗に会いたい。
ただそれだけが頭の中をぐるぐると回っている。



育斗に会ってから本当に変わった…。
こんな風に人を思う時がくるなんて思ってもなかったし。






「育斗……私が絶対助けるから。」






そう呟いてから私は目を閉じた。






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