どういうこと…?
育斗には許嫁がいて、拒否してたけど相手はその気でいる…。
少しずつ頭を整理しているとフードコートに到着し、空いてる席に向かい合って座った。
育「あいつは親が決めた婚約者だ。
もちろん俺は結婚なんてする気ねぇ。
…俺には若葉だけだから。」
「…どうして言ってくれなかったの?」
育「余計な心配かけたくなかったんだ。
婚約なんて破棄してやろうって思ってたからさ。」
「それでも言って欲しかった…。」
育「悪かった。
でも本気で愛してるのは若葉だけだから…それだけは信じてくれ。」
育斗の真っすぐな目に見つめられた。
…確かに育斗に許嫁がいる事はおかしい事じゃない。
なんてったって組長様だし…。
「うん。
でもあの子の言ってた選択肢って何?」
育「あいつ加西組の娘でさ、結構大きい所の組なんだよ。
んで俺らが結婚すればお互いサポートし合うっていうのが条件でついてる。
俺の親父病気だからさ…少しでも俺を楽にしようと必死なんだよな。
ありがた迷惑だし。」
確かに育斗のためにはなると思う。
よくわかんないけどこの歳で組長は大変だろうし、サポートがあったほうがいいに決まってる。
「ねぇ、育斗……」
だから決めたよ。
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