「何か似たような体験だね。
ありがとう。
私のことなのにそんなに怒ってくれて。
私も許してはないよ。
でもやっぱりたった一人の母親だから…やり直したいとは思ってる。
でもさ、許したら駄目だと思う。
そう考えたら五十嵐の考えは可笑しくないよ。
だって…なかった事にされたら私達が受けてきた傷はなんなの?ってなるじゃん。
まぁとりあえず、今を大切に生きていこう!!
あんまり過去の頃考えすぎると楽しく過せないでしょ?」
出来るだけ優しく頭を撫でると私に体を預けてきた。
…なんか可愛いんですけど。
五「…さんきゅ。」
ぼそっとそう言った言葉を私は聞き逃さなかった。
五「そういえば敬語よりそっちの方がいいな。」
「あ…そういえばいつの間にかタメ口だった……。」
五「まぁこれからもよろしくな。
………育斗のことも。」
「うん。」
それからも私は五十嵐の頭を撫で続けた。
するとドアが勢いよく開いた。
育「若葉っっ!!」
目の前には息がきれていて汗をかいた育斗がいた。
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