「あなた…育斗とどういう関係なの?」



五「組友かな。
極道の集まりみたいなので知り合ったんだ。
まぁ小学生の頃の話だけど。


それよりさ、まじでわかってんの?
俺らは遊びでこんな仕事してるわけじゃねぇんだ。
お前みたいな小娘1人殺すのなんて容易い事なんだぞ?」




胸ポケットから折りたたみのナイフを取り出し突きつけてくる。
でもそれが怖いとは思わなかった。



五「俺だって今すぐ殺す事だって出来る。
なんの感情も無く殺れる、そういう世界なんだ。



……半端な気持ちで裏に関わんじゃねぇよ。」




五十嵐の言うことも一理ある。
極道の世界なんて私には無縁だし、むしろ関わっていい事なんて無い。
命を狙われていつ誰に殺されるか常に気をつけていないといけない。


………それでも






「それでも私は育斗を選ぶ。

私にとって彼は…たった一人の理解者……。
育斗に関わってて殺されても何とも思わない。
むしろ私と育斗の関係が広まったからだと喜びすら感じると思う。



……半端な気持ちじゃない。
私は本気で育斗を愛してるの。
全ての育斗を受け入れる自信がある。」





真っすぐな目で見つめ返しながら思っている事を言った。
すると意外だったのか五十嵐は目を丸くさせていた。




五「くくっ……はははははっ!!」




いきなり笑い出してナイフを元に戻した。
そして引き続き笑い続けていた。



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