隣のスペース


「えっ…?」

何故、私は殴られたの?

その場の状況が、上手く把握できない私。

そして、あとからこみ上げてくる頬の痛み。

口の中に血の味が広がる。

「何で…殴るの?」

そういうと、凌は何も言わずにヘルメットを私に投げつけ、
バイクに乗れ
と合図した。

言うことを聞かなかったらまた殴られる…

そう思った私は、すばやくバイクに乗った。

凌が向かった先は、凌の家だった。
初めてきた凌の家。

私には目もくれずバイクを降りてスタスタと歩く凌についていく私。

凌が家の鍵を開け、目で

“入れ”

と合図した。

そして、私が家に足を踏み入れた途端。

凌に手を捕まれ、ベッドに押し倒された。

そして、無理やり服を脱がされたんだ。

今までは、キスしかしたことなかったからこういう事は初めてで…。

でも、そんな緊張を少しも感じさせないほど
その日の凌は怖かった。

そして、私は、何度も凌に殴られながら

無理やり抱かれたんだ。

涙も出なかった。

ただ、今起きてる事が上手く理解できなくて。

行為が終わった後、

「なぁ…もう2度と変なこというんじゃねぇぞ」

この日初めて、凌が喋った。

そして、思ったんだ。

この人に逆らったら…

殺されるって。