「はいよ! 誰?」 思ったよりも明るい声。 静かに扉を開けた。 「お、理奈か!」 気安く名前呼ばないでよ。 顔をしかめる。 「…お見舞い来たんだけど。 元気そうだから、帰るね。 じゃあ。」 冷たく言う。 「待てよ! せっかく来たんだから! なんか話そうぜ!」 話す事なんて何もないのに。 そう思いながら、 兄のベッドの横のいすに腰掛ける。