私は怒りがこみあげてきた。 死んだ母に。 私と兄を残して 死んでしまった母に。 「…なんなのよっ…!」 涙は出てこなかった。 母が死んで あこがれだった、 大好きだった母が 私たちを捨てて… 手紙をグシャグシャにした。 床に投げ捨てた。 静かな病院に 声だけが響く。 「ふざけないで…っ! どうしてよ… 何で… なんで子供を捨てて 自分だけ死ねるの…?」