扉を開けたのは、 先生だった。 「あ…先生…」 「佐藤さん、昨日は、 本当に申し訳ありませんでした。 いつもお見舞いに来て 仲良く喋るあなた達を見てると どうしても言い出すことができず…。」 謝罪の言葉などどうでもよかった。 兄の状態についての説明 それ以外何も聞きたくなかった。 「先生! そんな事、どうでもいいです! あの…兄は…?」 「お兄さんは、 頭を打って、 記憶がありません。」