病室には
兄1人だけだった。


いつもと変わらない。



…何よ。
何もないじゃない




「ノックの返事くらいしてよねー。」




そう言ってため息をつき、
椅子に腰をかけ、
持ってきたフルーツを置く。





??


違和感を感じ兄を見る。
いつもと違っていた。



兄は、ボーっと遠くを見つめていた。


私が入ってきた事に気付かないまま。




「…お兄ちゃん?
どうしたの??」



チラッ



と私を見たが、また遠くを見つめる。



「…お兄ちゃん…?
ねえ、何か言ってよ…!」



焦りが芽生えた。




ガラガラ…

病室扉が開く音がした。