「お兄さんの事ですが。」 「はい…」 聞きたくない! と思う反面、 聞かなければ!とも思った。 「階段から落ちて 出血がひどい事は聞いてますね?」 「は、い」 上手く返事ができない。 お腹が痛い。 医師が口を開いた。 生唾を飲む。 「お兄さん…」 医師の顔が見れなかった。 こんなに緊張したのは初めてかもしれない。 「自分から、落ちたようです。」 「!?」