2時間ほど待った頃… 「佐藤さん…ですね?」 男の人の声がした。 「…はい。そうです…」 兄の治療をした人だろう、と なんとなく分かった。 「お話があります…」 医師の声のトーンからして いい話ではないと悟った。 それとも、なに。 医師は皆こんなトーンなのかな? 半分願いのこもった事を考えながら 医師についていく。 連れて来られたのは 兄の病室ではなかった。 よく分からない部屋。 椅子と、机がある。 椅子に座るようすすめられた。