「………何で」
「だって、」
言いかけてはっとした。
ふと春川くんに目線を向けると、泣きそうな顔をしていたから。
「……俺のこと、嫌いになった?」
力無くそう言った春川くんの目の縁は赤く充血していて、微かに涙が滲んでいた。
何でそんな顔するの。
嫌いになってなんかない。と、言おうとした。
しかし、開きかけた口と出かかった言葉は、春川くんのキスによって遮られていた。
「……!?」
あまりに突然のことだった故に、彼の行動が理解できずに目を見開けたまま固まってしまう。
息をするのも忘れていた。
すると。ふ、と、唇は前触れもなく離され、うっすらと開いた春川くんの濁りのない綺麗な目と視線が交わった。
「は、春川くん……?」
「いやだ。……別れたくない」
小さな子供が懇願するような眼差しで私を見据えて言う。
春川くんに掴まれた腕からは、微かに震えが伝わった。
「……春川くん……私のこと、好き?」
真っ直ぐ、春川くんの目を見て問うと。
「………好き」
彼の口からぽそりと呟かれた言葉を聞いた瞬間、心臓は音を立てて跳ねた。
「ほ、ほんと!?」
「……だから、」

