「大丈夫春川くん?」
私が心配して尋ねると、春川くんはこちらに視線を向けた。
「うん。……さゆりは?」
「大丈夫だよ」
タオルがあったかもと、カバンの中をあさる。いつもカバンに入れているから、ある筈だ。
「あ、あった、はる」
「何で」
お目当ての物を探しだして春川くんの髪を拭いてあげようとすれば、横からポソリと呟かれた高倉さんの声が耳に入った。
私達は同時に高倉さんの方へ視線を向ける。
「何で中原さんなんか庇うの?」
「は?彼女だからに決まってんじゃん」
ごく当たり前のような口調で答える春川くんに、微かに胸が高鳴る。
しかし高倉さんは納得のいかないような表情で尚も続けた。
「でも……、中原さんのこと好きそうじゃないじゃん。それに、釣り合ってないし。もっと違う子とか、」
「あんたに関係ないだろ」
「………っ」
春川くんの鋭く冷たい視線が高倉さんを突き刺し、高倉さんは肩をビクリと震わせたじろいた。

