彼氏くんと彼女さんの事情



さっきまで見ていたバラエティ番組が終わり、中高年向けの番組に変わった。



チャンネルを変えてみてもあまり面白そうな番組はやっていないようだ。




特にやることもなく、俺達は無言でソファにもたれ掛かる。



もう九時前、か。優愛の親御さんはいつ頃帰ってくるんだろう。



腕時計を見ながら思い、優愛に声を掛ける。




「なぁ、優愛」

「な、何?」

「優愛の親御さん、………?」




何となく、優愛がいつもと違う気がする。緊張しているのか?



「どうした?」



優愛の顔を覗き込むと、一瞬ビクつく。



あれ。俺、なんかしたかな……。




「え?な、何が?」


「…………」




ああ、そういうことか。



漸く優愛の様子が変な理由がわかった。