彼氏くんと彼女さんの事情



「えっこれ……!」



箱を開けると中には、リボンの形で真ん中にベージュピンクの綺麗なトーンの付いた、可愛いネックレス。



それは前に高貴と遊んだときに私が可愛いと言っていた物だった。




「何で!?高かったでしょ?」


「まぁな。お前が可愛いって言ってたそれ、最初考えてた予算より高かったからな。……バイト増やした」


「バイト?」




高貴がバイトしてたなんて初耳だ。いつの間に?


……あれ、でも。




「高貴、部活あるじゃん。……バイトなんてしてる暇、無いよね?」




問い掛けると高貴は、だから、と続けた。




「毎日、朝学校行く前と、夜部活が終わってからバイトしてたんだよ」

「そうなの!?」



じゃあ、朝も夜も会っていると言っていたナツミさんは。




「なんか凄い勘違いしてるみたいだけど……ナツミは、ただのバイト仲間だから」


「そうだったんだ……」




ほっと安堵する。



でもそういえば。


ナツミさんは、高貴の事が好きだったんじゃないの――?




「そうだ。昨日バイト先に携帯忘れたんだけど……、優愛電話かけてきたよな?ナツミが、とった?」


「え、うん……」