彼氏くんと彼女さんの事情


* * * *


「優愛、どこ行くの」

「うん、ちょっと出掛けてくる」

「何言ってるの、こんな時間に。もうすぐ晩御飯よ!」

「ごめんなさい、お母さん!」



止めるお母さんを振り切りそそくさと家を出た。
外に出ると少し肌寒かった。もう夏も終わり、秋だ。


カーディガンを着てきて良かったなと思いつつ、待ち合わせ場所へ急いだ。




時計を見ると7時40分。8時に間に合うかな……。



マッサージとコンシーラーでクマを消すのに時間がかかってしまった。しかし時間をかけたお陰でクマはもうほとんど目立たなくなった。





「ふうっ……」



急ぎ足で20分歩くと、ちょうど8時に公園に着くことが出来た。