彼氏くんと彼女さんの事情




「あれっ高貴くん?」



ショートケーキを食べ終わり、次はモンブランを征しようとフォークをケーキに入れていると、横から女の子の声がした。



反射的に顔を上げるとそこには、同い年位の女の子が立っていた。




同時にそちらの方を見た高貴が、少し驚いた表情をする。



「ナツミ」



高貴がその子を見てそう口にした。


…ナツミってこの女の子の名前だよね。

呼び捨て?
私以外の女の子を下の名前で呼んでいる所も、聞いたことがない高貴が。



「意外、高貴くんってこんなとこ来るんだね」



長い髪に女の子らしい風貌の、“ナツミ”と呼ばれたその子は、可愛らしい笑顔を浮かべて高貴に言う。




「いや、こいつが来たいって」



そう言った高貴は、一瞬私を見て、また視線をその子に戻した。




「そうなんだ…彼女さん?」


「あっ!はじめましてっ…
上坂優愛です!高貴のか、彼女なのですっ」



緊張して噛んでしまった。高貴は苦笑いしている。



「ふーん…」



ナツミさんは暫く私の事を見つめた後、再び笑顔で高貴に向き直った。




「じゃあまた明日ね、高貴くん」



ナツミさんは高貴に手を振り、席を離れていった。




「今の…」

「あぁ……中学の時のクラスメート」

「そうなんだ。……また明日って…明日、会うの?」

「あー…なんか明日、中学の奴等で集まるって」