花子に言われてコッキーは深呼吸してから言いました

「花子さん 始めてください」

「わかったわ アリさん
ではね まず ボールを一番てまえのピンをねらって投げなさい
良くねらうのよ 少しでも狂うとまったくたおれないから…」

花子の言葉にコッキーはうなずくとピンをねらって慎重にボールを投げました
しかし ボールは当たりませんでした
コッキーはため息をついて 花子に言いました

「花子さん ダメです 当たりませんでした」

すでにコッキーは目をうるませて かすかに涙をにじませました

「アリさん 初めからあきらめちゃダメよ
一回で当たる確率なんてそんなにないのよ
だから泣かないでもう一度やってみなさい」

「はい」

コッキーは涙を少し流しましたが それをグイッと手でぬぐうともう一度ボールを投げました

でもやっぱり当たりません

その後 3回投げましたが一度も当たりませんでした
落胆したコッキーはあふれ出た涙が止まりませんでした

「アリさん あきらめるのはまだ早いわよ
また明日きなさいなガンバリましょう」
花子はコッキーに静かにそう言うと帰って行きました
コッキーは花子が帰った後も帰ることが出来ませんでした
しかし 10分してからようやく気を取り直すと 仲間の待つ巣に帰って行きました