キミといた。





だんだんと遠くなる彼の背中に心細さを覚える。




『待ってってばぁーっ!』




声をかけずにはいられない。


何故だか無言で走り続けていたら、彼がどこまでもどこまでも遠くに行ってしまいそうな気がしたのだ。



しかしあたしの心の底からの叫び声は届いてはくれない。


後を追いかけるあたしの体力は限界に達し、スピードは次第に減速してしまった。



『はぁ…っ、はぁはぁっ』



ついにあたしの足は止まってしまう。



膝に手をついて大きく深呼吸をしては荒い呼吸を整えようと試みるが、最高潮にまで達した荒い呼吸はそう簡単に戻ってはくれない。