『ま…っ、待ってよぉ!』 バタバタと荒い足音が響く。 それは緑深い森の中。 走り回るのはまだ幼い2人の子供。 あたしは前を行く彼に追いつくために全力疾走をするが、いくら懸命に走っても少しも距離は縮まらない。 彼はあたしの言葉を聞いても速度を落とすことなく、チラリと横目に振り返っては叫んだ。 『鬼ごっこだよ!』