「こんにちはピエロさん」

彼は右手を少し上げて、挨拶をする。
私の日常の中に彼が居るように、彼の中にもきっと

私は居るんだろうか?

少しでも、片隅にでも…… ……居ればいいな。
そう思いながら、私は隣に座り
彼と同じ空を見上げる

空はいつもより透き通って見えた。
今日は、星がきれいに見えるかもしれない。

「ねぇ。……夜、ここで待ち合わせしない?」

さすがに男の子だからか変に誤解したらしい。彼は私の提案に戸惑っている雰囲気だ。

「…えっと、変な意味じゃなくて、ただ天体観測なんて……してみたいなーって。」

安心した様に肩を落とし、頭をくしゃくしゃ掻きながら、人差し指で地面に
NO
と書いた。