仮面を被った男の子は、上から私を見ている。

私も、彼を見ている。

この何とも言えない、間。

しばらく見詰め合っていると……

その緊張を消し去るような涼しい風が…

私達の間を通り過ぎる。木の揺れる音は、迷っている私を落ち着かせ…勇気をくれた。


「あのぉ。」

「……。」

「驚かすつもりは無かったの。ただ…」

話し掛けながら立ち上がり、傍まで寄ってみる。
仮面の男の子は、動かないままこっちを見続けている。

「何で……、お面してるの?」